令和改元は歓天喜地|物凄くめでたい事
新元号「令和」の発表がありましたね。
この新元号「令和」の意味と選定するにあたって重要視したのは何かを考えてみましょう。
新元号予想で一番信憑性の高かった、明治、大正、昭和、平成、それぞれの頭文字「M」「T」「S」「H」は除外するであろうということです。
これは「平成」のときにもあり、「平成」以外の候補だった「修文」と「正化」は共に頭文字「S」になるため、「昭和」との間違いや混乱を伴うということで避けられたといいます。
今回の「令和」の頭文字は「R」です。
頭文字「R」は非常に珍しく、1338年に制定された暦応(りゃくおう)まで約680年も遡ります。
また歴史上、多く使われた漢字の第5位に入っている「和」という漢字を入れたことも、近代の「昭和」を彷彿させ、身近な感じがするのではないでしょうか。
「令」という漢字は、これまでに候補には挙がったことのある字であると法学者である所功氏が語っておられましたが、元号に用いられるのは初めてです。
「令」には、「良い」「めでたい」などという良い意味があるそうで、これは選定における6つの条件といわれているものに当てはまります。
- 国民の理想としてふさわしく良い意味を持つこと
- 漢字二文字であること
- 書きやすいこと
- 読みやすいこと
- これまでに元号または送り仮名として用いられたものでないこと
- 俗用されていないこと
「漢字二文字であること」というのは、一部の「天平感宝」「天平勝宝」「天平宝字」「天平神護」「神護景雲」といった四文字以外は全て二文字ですから通例となっていますし、「書きやすいこと」「読みやすいこと」にも当てはまります。
「令和(れいわ)」という読みに関しても、漢字に関しても読み書きしやすいことも条件と一致しています。
また、「令」という漢字は、これまでの元号に無いだけでなく、人名や地名にも少ない漢字といえます。
令和の由来
「令和」という元号は国書『万葉集』からの典拠であると発表されました。
これは万葉集に収められた「梅花の歌 三十二言」の序文にあたります。
初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぐ梅は鏡前の粉(ふん)を開き、蘭は佩後(はいご)の香を薫(くん)ず
これは天平二年に大伴旅人の官邸に筑前守であった山上億良以下の宮人が集まり、梅花が咲く姿を見て詠んだ歌といいます。
作者は大伴旅人あるいは山上億良とも言われますが確証はありません。
「昭和」の典拠は四書五経の一つである『書経尭典』の「百姓昭明、協和萬邦」が由来であるとされています。
「心を合わせて仲良くしよう」という国民の平和、そして世界の共存繁栄を願って考案されました。
「平成」の典拠は『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」に由来します。
どちらも内外ともに平和が達成されるようにという願いが込められています。
このように、元号は中国の古典からの典拠というのが通例でしたが、今回の「令和」では国書『万葉集』からの由来です。
さて、この元号「令和」の考案者は誰でしょうか。
菅内閣官房長官の会見では、「元号と個人との関連性が大きくなる事を避ける」ために考案者は発表されませんでした。
しかし、「令和」を選定するに至るまでの経緯から、主要な人物がわかるのではないでしょうか。
まず、選定の手順は内閣総理大臣が有識者に新元号候補の提出を要請します。
この有識者に選ばれたのはNHKの発表によると上田良一、大久保好男、鎌田薫、榊原定征、白石興二郎、寺田逸郎、林真理子、宮崎緑、山中伸弥の9名です。
この中に、「令和」の考案者がいるということですね。
令和改元はめでたい行事
世界で最も古い国家とされる日本国の歴史の中で元号は、今日まで様々な理由で改元されてきました。
日本国は、古くから災害の多い国であったこともあり、凶事に際してその影響を断ち切るために改元するという「災異改元」が多いといえます。
古くは白雉を献上したことから白雉と改元されたり、白亀を献上したことから神亀と改元する「祥瑞改元」というのがありました。
また、陰陽道において異変の起こりやすい年とされていた三革を区切りとして改元される「革年改元」も施行されました。
現在では、天皇一代につき元号一つという「一世一元の制」が適用されており、これは天皇の交代による代始改元というものです。
明治→大正→昭和→平成の場合、天皇の交代による代始改元の意味を持ちますが、もうひとつ我々国民にとって忘れてはならないことがあります。
それは、「天皇の崩御」による災異改元という意味です。
日本国成立以後、かけがえのない存在である天皇が崩御なされたという事実は、国民にとって大きな悲しみです。
この悲しみの影響を断ち切るために改元される災異改元という意味が代始改元につながっているのではないでしょうか。
今回の令和改元は譲位によるものなので、代始改元であっても災異改元ではありません。
今上天皇、すなわち平成天皇はご顕在で上皇になられるのですから、悲しみはありません。
ここは、日本国民なら盛大にお祝いするのが国民として当然の事ではないでしょうか。